それを愛と呼んで
」のレビュー

それを愛と呼んで

タマラ・アレン/冬斗亜紀/門野葉一

絶望の中の愛と希望の素晴らしい話◎

ネタバレ
2023年3月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ MM小説短編。初読み作家さん(原題:If It Ain't Love)
翻訳冬斗さん&挿絵門野さん買いです。

大恐慌時代のNYが舞台。
地獄のような街の終わりが見えない絶望生活の中で、
芽吹く愛と希望の物語が短いのに素晴らしいです◎

安宿で偶然隣り合わせた二人、
売れない新聞記者ウィット(29)と謎多き男ピーターの話。

大恐慌の深刻さがこれでもかと刺さり心抉られる現実的な描写と、変化と希望を求める男達の精神描写の明暗が鮮やか◎
これに近いことが今の日本にも起きてそうだから吸い込まれるように読み進められました。

足元にある奇跡を見逃すか希望に変えられるかは本人次第で、
'情けは人の為ならず'の名言を生んだ昔の人って偉いなと改めて思えた話。読めて良かったです
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