このレビューはネタバレを含みます▼
天才ピアニストの武×音大生の悠希。音楽一家に生まれたピアニストの卵の悠希は、幼い頃に聴いた武のピアノに魅せられて、それからずっと武を追いかけている。ウィーンから一時帰国した武について回って、ぽろっと溢した一言から大学の休暇中にウィーンの武宅に住むことに。素直で感情ダダ漏れの悠希が子犬みたいでとっても可愛い。超マイペースな武に翻弄されつつ甘やかされて、特に裏もなく微笑ましい溺愛もの。絵も綺麗だし、音楽漫画好きなので楽しく読めました。でも全体的にあっさりさっぱり、悠希もそれなりに出来る子なので音楽的な葛藤も悩みもなく、もうちょっと捻りがあったらもっとよかった。武の愛情は伝わるけど熱量はそれほど…という感じだったので、もっと武目線を掘り下げて欲しかったし。ロベールの意味深な雰囲気も、なんとなく察するけどそのままじゃもったいない。せめて上下巻で読みたかったけど、1冊でまとめるならこれでいいのかな。爽やかで読後感はよかったです。