棺にさよならの花束を(分冊版)
」のレビュー

棺にさよならの花束を(分冊版)

rosca

どう生きてどう死ぬか

ネタバレ
2023年3月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み放題にて。
先生の『二律愛反』を読んでから他の作品も読みたくなり、読み放題で読めるものがあったので拝読しました。
凄く死生観を問われるお話でした。胸にグッとくるものセリフがたくさんあり、とても良かったです。

涙脆い葬儀屋の久永と明るいけど近いうちに死のうとしている明星のリバ。
生きることに飽きたからと自死しようとする明星を、どうにかして引き止めたい久永。
はじめは生前葬をしたい明星をお客さまとして扱っていたけど、自死を引き止めるために一緒にいろんなことをして、すっかり友達以上になってしまった。
死のうとしていた明星が、久永を理由に生きようと思うようになるストーリーです。
明星の死生観はかなり変わっていたけれど、そういう考え方も悪くないなと思えました。確かに多様性の時代だからこそ死に方を決めてもいいのかなと思えたし、死ぬ前ちゃんと友人たちに挨拶しようとしているところも何だか律儀で面白い。
とはいえ、自ら死んでしまうのは、仲良くなればなるほど悲しいしして欲しくないと思う。
久永も、はじめは社会的な意見でそれを止めていたけど、最後は自分自身の気持ちで止めていました。
最終話では、明星の意見尊重したいけど、久永としては引き止めたいのが良くわかって胸が苦しかったです。
明星が生きる理由を見つけられて良かったです。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!