このレビューはネタバレを含みます▼
シリーズのスピンオフのこちらだけ読みました。文学や映画のお話が結構ありますが、内容をさらっと紹介していますので問題なく読めました。ただ「銀河鉄道の夜」は内容を知っておいた方が理解が深まるかと思います(読み放題の漫画でお勉強しました!)。
東堂と塔野が文学談義をする間に白州と伊集院のストーリーが挟まれる形で始まって、文学談義が進むにつれが白州の実像を暗示するところがあって上手いなあと思いました。
はじめはコメディかなと思っていたのですが、せつなさのあるいいお話でした。白州と伊集院の関係も変わっていきます。
読み終わって「ドリアン・グレイの禁じられた遊び」も読みましたが、こちらの下巻のような存在なので両方読まれたほうがいいと思います。伊集院は「貞節」で、白州は「純潔」で登場しているのでシリーズ1巻から読んでいこうかなと思いました。とにかくこの2人、ベストカップルなのです!伊集院が文字通りの馬鹿力で白州を浮上させてくれるのです。2人が愛おしくなります。
描き下ろしで白州の服装がグレーのスーツだったのがタキシードになっていましたが、やっぱりタキシードのほうがかっこいいですね。
麻々原先生の挿絵も素敵です。大好きです。
2020年4月 総252ページ 挿絵あり