このレビューはネタバレを含みます▼
ラブコメだと侮るなかれ。これはお家騒動のミステリー。
お転婆令嬢エミーリアは、ひょんな事から伯爵家のフリードと契約結婚する事になるが、それは、フリードの家の謎に迫るミステリーだった。フリードは、おそらく前妻のエイダを愛してはいないが、彼女は何者かに毒殺されている、という真相を暴きたい。それは自分自身を守る為でもあるから。
物語は、一緒に過ごすうちに本当に好きになってしまったエミーリアとフリードのジレモダと平行に、伯爵家にまつわる謎の真相に近づいて行く。何かと険悪な叔父は本当に悪か。家に寄せ付けない叔父の嫁の怪しさ。叔父を妾腹の子と蔑む祖母の悪意。疑惑だらけの家内で、互いを護ろうとするエミーリアとフリードのすれ違い。とにかく真相が楽しみ!今、4巻!【追記】5巻でなんと完結!解決編。解決後のエミーリアとフリードのいちゃあまは台詞の無い数ページで片付けられてしまった。エミーリアの幸せの為に身を引いた従者のトマスは、エミーリアの侍女・メラニーと一緒になって欲しかったが、たった1コマで、メラニーはどうやら料理人のカールと良い仲になっている?!ビックリ。肝心の伯爵家お家騒動は、昼ドラも真っ青なドロドロ展開。なんと、妾腹の子(アルベルト叔父)が本家の兄の妾と関係して子を産ませる。つまり自分と同じ妾腹の子をこさえている。貴族では当たり前の事なのかもしれないが、「優しい人」が聞いて呆れる。事件は警察の介入無く、黒い人達全員死ぬという荒唐無稽な終了。いや、罪を償う事が一番の罰なんだから、簡単に死なせてやるなよ!って思う。そういう意味でも、エミーリアとフリードが晴れて両想いになってからのイチャあまが少なかっただけに、後味の悪い読後感でした。4巻までは星5でしたが、5巻でー1させて頂きます。