美形の顔圧に二歩下がる…





2023年3月31日
表紙のデザインと風変わりなタイトルからは想像し得ない大正浪漫の世界が広がる「片喰み」から。黒髪の物憂げな少年、背景、構図に至るまで一つ一つが美しく目を奪われます。着物のハイカラな着こなしが素敵✨ 少年の「叶ってはいけない願い」を 青年の目を通して描く事で切なさが増して感じられました。それから数年後の本編「1一」こんなにも近くにいて抱き締めて貰えるのに、決して叶わぬ恋心。「僕の恋は生まれる前に死んでしまったのだ」これ以上の表現は無いですね。鬱々とした気持ちを抱える少年に対し、献身的で甘えたで溢れ落ちそうな大きな瞳を真っ直ぐに向けるワンコが。弟もまた胸に秘めた想いを抱いていて… これは美形家族の宿命なのか。「家族」という狭く濃密な関係性の中で、超えてはいけない一線と恋慕の狭間で苦悩する姿。しかし「どこかでそれを望んではいなかった」との兄の告白に、冷静さ(理性)と熱情が混ざり合う複雑な胸の内だったのだと知る。「片喰み」の雰囲気そのままにドロドロとした展開になるかと思いきや、思いの外 笑いと天然要素が含まれる内容。深みに嵌まる事なく兄の想いは綺麗に消化する事が出来て、これはこれで良かったんだろうな と思いました。弟にだけ見せるSっぷり、素の部分をさらけ出せるのは心を許している証拠ですからね。その辺は話の合間に挟まれる描き下ろしで存分に味わえます。そして絶妙に笑いのツボを突いてくる😄 明治中期~昭和初期にかけての時代設定と思われる本作。「片喰み」は本当に耽美な世界でしたが、本編は西洋化の最中とはいえ もう少し時代を感じさせる要素を描いてくれたら より一層作品の世界観に入り込めたかな と思います。プリンの容器や絵本の装丁、居間の調度品、犬種等、高度成長期の設定だった?と錯覚する場面に出くわして、ちょいちょいブレーキをかけられました。室名札や絵本の題字を右横書きにしたり、学生の風貌(髪型や丸眼鏡等の小物)で当時の風を取り入れたら雰囲気が出たのにな~と。学帽にマント姿がとても素敵だったので、ああいうテイストがもっと欲しかった と言うのが本音です。それから3話の作画の熱量が明らかに下がっていたのが気になりました。アシさんかな?値引き&クーポンで半額以下で購入出来てコスパはトントン。Hは最後に1回、基本的に見えない構図でぼかしが1ヶ所。2人とも上下の睫毛バッサバサの美形なので、受け同士がシてるみたいだよ~😍

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