このレビューはネタバレを含みます▼
主人公のまおは、女の身体であることによって嫌な思いをしたことが理由で、性転換を発現してしまう。冒頭で、女の身体を嫌悪するまおが自己を否定するエピソードには、身体を値踏みされた経験を持つ多くの人が共感できると思う。
作中でも何人かのキャラクターが、まおを初めとする他者の身体を値踏みする言動を繰り返すが、これらは「ダメなことだ」と作中で言明されており、この作品に貫かれる高い倫理観が表れている。全体を通して、個人の性の問題をただの萌え要素にはしないという作者のスタンスが非常に心地よく、痛快でさえある。
性別をめぐる議論が絶えない新時代に相応しい、新しい少女漫画と呼べる作品だと思う。全巻買います。
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