花馨る雨の名を 【イラスト付】
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花馨る雨の名を 【イラスト付】

千島千鳥/宝井理人

第一章、気合い入れすぎた結果

ネタバレ
2023年4月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 第一章、二人の過去、出会い、出来事を綴ったシーンなのですが、うーん、なんて言うんですかね。まるで詩のような美しく抽象的な表現で描かれてるんですが、それが素敵って人もいるんでしょうが、私にはちょっと苦痛でした。まわりくどすぎ、と言うか。
ちょっとこの感じで全章続くようだったらキツいぞ。私が読みたいのはまどろっこしい味わいのある詩じゃなくて小説なんだよ、と。
ちなみに第一章で力尽きたのか徐々にかったるい表現はなくなり、格段に読みやすくなったのでほっとしました。自分の力量に合わない作風はやめた方がいい。無理してるのが読者にも伝わるから。しかも、気合い入れた結果、よくわからんな、って印象を与える悪手。

その後は、お互い徐々に距離が近付いていく感じとか良かったですが、当て馬役の女性が読者からしたら当て馬にもなってなかったのに一体どこで勘違いする要素あったかな?って疑問が残りました。

あと無駄に表現力豊かなのにお茶に対しての表現は下手だったなぁ、て印象。作中に出てきた幾つかのお茶ってお湯入れるとガラスポットの中で花が咲いたようにふわぁっとなる花茶と呼ばれる工芸茶ですよね。凄い綺麗なやつ。せっかく物語の大事なアイテムなのに説明があっさりでちょっと残念。

あとあと、コンビニで吸ってた足下の吸い殻とか、ちゃんと後で拾ったんだろうな…と細かいことが気になって穿った見方しちゃって、純粋に本文に入りこめなかった。
個人的には挿絵も自分のイメージと違ったから無くてもいいくらいだな、と。すんません。
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