このレビューはネタバレを含みます▼
272ページ挿し絵あり。数年前から執拗な痴漢被害に遭い男性恐怖症と戦っている広告代理店勤務ヒロインと、代々産婦人科を営むED産科医ヒーロー。ひょんなことから知り合い、懇意にしてる精神科医のススメで治療という名目でデートをすることになった2人だが…という話。おもしろかった!!TL小説ってやっぱりヒロインがメインで主人公になるのが大半と思うんですが、本作はヒーローヒロインそれぞれが主人公で、お互いのトラウマを認め受け入れ癒していく過程がすごく良かったです。端々で運命という単語も登場してますが、まさにその通りではないかと。先見の明なのか、2人を引き合わせた関口先生GJ過ぎる。あまり登場人物が多い作品ではありませんが、その分主役2人にじっくりフォーカスされてより感情移入しました。産婦人科と言う職業を親から継いでただただ使命感で働いていた男が、最後の最後にその価値を泣きながら見出した場面はこちらも胸が熱くなりました。一方、ストーカー男にははらわた煮えくり返りました。現代作品じゃなかったら間違いなくヒーローは殺ってたでしょうね(苦笑)よく我慢した。挿絵も上原先生の描くヒーローがイメージ通りで、より作品を盛り立ててます。そのヒーローは人間くさいいい男でした。関口先生といいコンビでした。本当に面白かったです。強くオススメします。