噛み痕とフローライト
」のレビュー

噛み痕とフローライト

柳瀬せの

キャラがすごく好き

ネタバレ
2023年4月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 魅力的な造形のキャラ、視線を描くのが上手な作家さんなので欠かさず読むのだが、今作はバックボーンや世界観が広すぎて描き切らない部分が多くあり、読みたりない気持ちになってしまうのが惜しかった。
近未来人と人でないものが知らず共存している社会で、主人公陽は人を助けようとしたら死にそうになってしまう。その助けようとした人秋人が実は吸血鬼で自分を庇い瀕死になった陽を救うために吸血鬼にしてしまう。このお話の中では吸血されて吸血鬼になるまでにタイムラグがあり、その間はタンクと呼ばれる吸血され放題の存在になってしまう。陽がタンクの状態の間吸血鬼で一番強いと言われる秋人との間のお話。
二人の産まれに加え、荒廃しつつある社会、吸血鬼同士の戦い、タンクから吸血鬼にいつなるか等が背景にあるのだがそこはほぼ触れられない。二人の恋物語に終始したが消化不良感が否めない。
だがキャラの造形は秀逸。強い視線を持つ攻がとても魅力的。なのでやはり物語がちょっと残念。せめて陽がタンクから変化する先が見たかったがそうなるともう一冊必要となるんだろうなあ。
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