ドラマにならない僕らの話【電子限定漫画付き】
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ドラマにならない僕らの話【電子限定漫画付き】

河飯じろう

揺らぎやエゴ、リアルっぽくて面白かった

ネタバレ
2023年4月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ どちらもフラれた相手を引きずっている、攻めと受けです。受けの渉は、高校時代に付き合った友達の仁を思うと、2年経っても心が痛みます。本人はバイと言っているけれど、かなりゲイ寄りと思われます。そこに、新入生として出会った石井はゲイを公言し、高校卒業時にできた彼氏にウキウキMAXで、ちょっと調子乗ってるような感じで。渉の心にチラッと立った、新しい恋のフラグを容赦なく折りました。それが、渉と全く同じく大学1年の夏休みにフラれてしまい、慰めてくれたのが渉です。お互いフラれた同士のゲイなので、なんとなく、一緒にいる事が多くなり、自然とエッチをする関係になります。でも、勢いよくソッチに流れ込むのでは無いです。元カレへの恋心は燻るし、突然スイッチが入れ替わる訳ではなく、自己中な誠実さや自己防衛、エゴがチラチラ。それを美味しいモダモダととるか、人らしい揺らぎととるか。それがBL的に(可愛いとか、キュンとするとか)萌えかはどうかなぁ?ですが、渉も石井も、元カレの仁と吉田も、エゴやズルさが人間らしくて良いなと感じます。優しいのも時には狡い。特に、渉をフッた元カレの仁。自分がフッておきなら、元サヤになる気もないのに、渉が今も自分を好きだと確認し、悦に浸る。別れても女はずっと自分を好きなはず…と幻想してる男、らしいエピだなぁと、ブッと笑いました。二人の関係にしっかりとした形がついた後は、年下攻めの石井が頑張ってます。クールに見せてて実は愛が重い攻め、いいです。
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