指先、体温、とける距離
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指先、体温、とける距離

ISIKI

生き辛い二人の、優しい世界

ネタバレ
2023年4月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一人は症状に病名があり、カウンセリング療法を受けているけれど、もう一人の方も、たぶん、ちゃんとした『名前』がつく問題を抱えてる。状況は軽くないんですが、ヒリつくような事もなく、優しく穏やかなヒューマンなストーリーです。
決してダメな子ではないですが、うっかり、忘れ物、物覚えが良くない…等、周囲から怒られたり気を使われている壱成。図書委員になって、出会ったのが先輩の絢一です。絢一は、物覚えの悪いところも責めず、壱成のペースに合わせてくれ、良いところも認めてくれます。当然、壱成は懐いて、好きになって。絢一の方は、人に直接触れられると痛み、皮膚が紅くなるという問題を抱え、他人との交流を避けてました。絢一の方は、原因に心当たりがありますが、積極的に治そうとは考えてません。そこから、わりと早く恋人になるんですね。絢一が、意外と、 BLに戸惑いがなくて。その恋愛が力になって、絢一は自分の問題と向き合い解決のため頑張る。メンタルでは、かなりイチャイチャです。でも、フィジカルはキスどまり。それはそれで、全然良いんです。the BLとはちょっと言いにくいですが、愛情のラリーが心地よい優しいストーリーです。なんですが、ラストがそれで終わり??と感じたのが残念です。 それまで二人のペースでしっかり進んでる感じだったのですが、6話は急いでいたような。話数で仕方ないのかもですが。まあ、完結と言えば、完結なんでしょう。でも、どちらかと言うと、壱成の抱えてる問題の方が、将来的に心配。そちらの方にも、何かアンサーと言わないまでも、未来が見えるようなエピでもあると、良かったかなぁと思います。
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