砂糖100グラム、恋少々
」のレビュー

砂糖100グラム、恋少々

毬田ユズ

お菓子のように、甘い

ネタバレ
2023年5月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●ふとした機会に読ませていただいてる作者さん。本作は、チャラめの元バーテンダー宇野とお堅いパティシエ藤崎の感情の変化が甘くてきゅんとするお話。好きです。
●藤崎は「○○が苦手だ」って自分のことをよく分かってるのが好感持てる。良くも悪くも真面目。店長や周りの人の言うことをよく聞いて、スポンジみたいな吸収力。一度挫折した強さなのかなぁと思ったりもする。素直な人です。
●そこへ出会ったチャラ軽い宇野。関わったことのない人種から、藤崎は刺激を受ける。ゆっくりと宇野に惹かれていく様子が丁寧に描かれてて、すごくいいです。「宇野さんが好きだ」ってハッキリ自覚するのに3話かかります(笑)でもそれがイイ。
●転じて宇野目線。興味本位で近付いて、藤崎を揶揄って、うっかりキスしてしまいそうになって…。でも、ところどころで藤崎の純朴な反応にキュンときてるっぽい宇野の表情が見られて、ただ揶揄うだけ以上の気持ちがあったんじゃないかなぁと思えます。
●仕事もセ フレとの関係も流されるように続けてきた宇野に、藤崎の言葉が刺さる。藤崎の真面目さがまた良くて…「宇野が一番輝く仕事をしてほしい(好きだから!)」っていう強い想いが、ちゃんと宇野に伝わるんですね。宇野は、自分の仕事に対する思いも、藤崎に対する感情も、自覚させられる。
●トラブル時に藤崎がひとりで意地張っちゃうのも、真面目さと宇野への想いが裏返っちゃっただけで、私は微笑ましく見てました。(大変そうではあったけど…)
●「あなたに出会って、変わってしまった」というフレーズが多分二度出てきますが、これはきっと二人ともそうなんです。「あなたに出会って変わろうと思えた」と。すごく良かったです。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!