初恋をさらって
」のレビュー

初恋をさらって

里美ゆえ

「さらって」は、願望の方と思った

ネタバレ
2023年5月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 排他的で噂話が楽しみの田舎、かと言って過疎化してるほどのド田舎でもない。「昔」と「現在」が、混ざり合おうとしているトコロに、DKの恭介と七瀬は立ってます。七瀬は、生き神様とも思われている小さな町の神社の跡取りで、京介は小学生の頃、東京から母親と引っ越してきて、よそ者でも町に馴染もうとしてます。それは、七瀬への愛情のため。そう、二人は幼馴染で、親友で、言うに言えない両片想い。恭介は初恋を諦めたくない。でも七瀬は『近い未来、結婚して家庭を作り神社を継ぐ』と言う。恭介へのアンサーと言うより、自分に言い聞かせてるように。曖昧で切ない雰囲気の中、二人にとっては大冒険、恭介の祖母の実家へ一緒に行きます。そこで思わぬ事がいろいろ起こり、離れ難いことを確認するんですが…。途中、初恋は実らない的エンドかと、心配しました。そうではないんですけど、なんかふわっと終わってます。続きがあれば大歓迎だし、これで完結でも全然良いですが、もう少しいろいろクリアに終わっても良かったかなぁ。ストーリーは、好きでした。七瀬が家業(宮司)にこだわりが強いのも、優しさや責任感で、拗らせとは言えないし。過渡期を分からなかったのは、まだ子供だからだし。そんな七瀬を諦めたくなかった恭介は、七瀬を丸ごと受け止めてて、いい男の匂いがします。作中は、キスまで。でもピュアとは違う。元気なDK達、エンドのすぐ先で、しちやってるよね〜と妄想出来ました。
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