このレビューはネタバレを含みます▼
猫さん目線で描かれる世界と、大切な人を失った人間の世界がつながって進んでいくストーリー。胸がぎゅっと締め付けられるシーンがたくさんあり、涙なしでは読めない作品でした。ノラとして生きるマチと七生の大きな力強い目に吸い込まれました。マチが淑乃の家で暮らすようになってから、あの力強い目は一度も描かれず、また七生も家ネコになってからページをめくってもめくっても目が合いません。家ネコとなった彼らの目を見て安心したかったのですが、目が描かれていないだけでより一層、ノラ猫と家ネコは交わらないのだなと思いました。最後、彼らがくっついて眠るシーンで少し救われました。