このレビューはネタバレを含みます▼
同じ仲間を探し続ける妖の鵺と敢えて孤独に生きる僧崩れの寛慶。
今作の鵺は姿形は醜いけど中身はあどけなくて寂しがり、愛に飢えた妖でした。だからこそ、寛慶からの親しみある言葉や仕草に鵺の心が満たされていくのは当然で。鵺がどんどん可愛く一途になっていく様にほっこりしますが、ストーリーは捻りがないので少し物足りなさはありました。
一方、後半に続編への布石?となるような先代の鵺にまつわるエピソードがあり、個人的にはそちらの方が俄然興味が湧きました。前半はほっこり、後半はもの悲しさがあり、少しまとまりがなかったように感じます。
あとがきにあった先代鵺と実道ご先祖様のスピンオフがあれば読んでみたい!前半星3、後半星5かな。