このレビューはネタバレを含みます▼
しょっぱなからヤバイ匂いがプンプンしてるのに、手に取ったらあれよあれよと、心境的にはヤクザの世界に足を踏み入れてしまった勇くんと一緒で、抜け出せなくなってました。
極道ものって苦手イメージがあったんですが、選ぶ作品みんな魅力的で読まず嫌いはダメですね。
組同士のいざこざや腹の探りあい、裏切り、力がすべての上下関係が渦巻く闇社会。このテーマではつきものなんですが、作者様の手にかかるとこれまた違った角度からの切り口とBLが見事に融合しつつ、ラストまで目が離せませんでした!
裏社会で育った異父兄弟の誠と相(あい)、誠の愛人ベティとうっかり君な勇のなんとも不思議な人間模様。一般人である勇が入ってきたことで4人が更に複雑に絡み合い、より異質な背景が浮き彫りになっていきます。
また相が勇に言った「血縁半分 盃半分、それでどうにか兄弟だ」のかなりインパクトのあるこのセリフ、半分繋がらない血が2人の人生を翻弄し、母の愛情でさえこうも差別されるのかと愕然としました。
ヤクザの血が流れる誠を拒絶しつづけた母。結局、最後まで母の愛を知らずに育った誠は、手のつけられない狂犬として組の間でも厄介な存在に。お目付け役として唯一まともに思えた相も、読んでいく内どこか欠落している人間に感じました。
母の面影のあるベティへの執着と誠と相の狂喜を含んだ様な共依存。ベティの正体がわかっても変わらず一途な勇と抗争とで、終盤に向けての躍動が更に激化していきます。最後、無事着地するのかそれとも巻き添えて大破してしまうのか、、
あとは1巻~3巻の4人の変化必見です!!相のスムージー腸活(笑)とか想像つかないレベルです!!母の愛情を一身に受けた相が誠を受け入れる、見事に循環してるように思いました!!あ、奇しくも今日は母の日ですね。
たまたまonBLUE vol.62をチラ見していたら、愛し方学習中狂暴兄×内心兄に甘々な能面弟のはぐくみラブ とあまりにもハマりすぎる謳い文句に、ぷふっとなってしまいました!!見守るので、大いに育んでくれ!!(笑)後日配信されるのかな?
あと、akabeko先生と言えば後書きの裏話がめっちゃ好きです!攻守逆なイメージでしたが担当さんとのやりとり笑わせてもらいました!なるほど~。毎回こちらも楽しみです!