最悪
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最悪

ひちわゆか/石原理

軽いノリでよかった

ネタバレ
2023年5月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私の大好きなつきあって別れてからの再会もの。傲岸不遜で服脱ぎ散らかして足ふきマットをびしょびしょにするような最低なやつだけど、行動力があって有能で情に厚い有堂(攻め)と、そういう有堂を最悪だと思いつつ惚れた弱みで振り回されてるようで自分も有堂を振り回してる主人公英彦(受け)とのやり取りがテンポよく展開されて軽い感じで楽しめた。英彦は有堂に振り回されてはいるけど、負けてるわけでも弱いわけでもないし、彼自身いざというときは大胆な行動に出られるし、サラリーマン的なちょっとしたずるさもありつつ、いい人すぎないけど仕事に対して誠実っていう感じがよい。どんな小さな案件も手を抜かずに取り組むって大事。私はすぐ手をぬくから見習いたい。有堂はほんと私からするとこんなやつ絶対一緒に生活したくはないけど、太っ腹だしいざというとき頼りになるやつだから、好きになる気持ちはわかるけど、家の中でたばこ吸われて部屋汚された時点で私なら百年の恋もさめるね。家事に敬意をはらえないやつにろくなやつはいない。たとえどんなに有能で顔がよくても、生活ってなると別問題。そういうダメなやつに心底英彦は惚れてるし、有堂もかわいげはあるから、お似合いな二人のけんかのようなのろけのような言い争いが楽しい作品だった。かけがえのない存在としてお互い認識しつつ、二人とも仕事に一生懸命で平気で半月会えなかったりするところも、なんかよい。エロは有堂の雰囲気がわりと荒々しく感じられて、乱暴というのとは違うんだけど、ちょっと私の好みとは違った。でも英彦は喜んでいて、愛はあるし決して不穏なエロではないのでまあまあよかった。
終わり方はそんなうまくいくかなってぐらいうまくいって終わったけど、なんかスパッとカラッとしててこの二人の物語の終わりにぴったりな感じもした。
一番最後の書下ろしは有堂視点で書かれてて、久しぶりに会った有堂と英彦、崔とのやり取りで、有堂と英彦がお互いに嫉妬しあってるとこは萌えたし、有堂は最後までやっぱり有堂で、相変わらずな感じが楽しかった。
あと「いろっぺー」という単語を久しぶりに見た。最近みかけない気がする。
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