このレビューはネタバレを含みます▼
●タイトル買いです。でも想像してたよりあっさりな読後感でした。あっという間に読み終わって、全部で200Pあった気がしない。コマ割りが大きい(1Pあたりのセリフや情報量が少ない)から?かもしれません。ちょっと淡々としてるかなぁ…(そこが良いところなのかもしれませんが…)4か3か結構悩んで★3にさせていただきました。
●オメガバース世界にあってあえてβの二人…という切り口は素敵だなぁと思いましたし、好きです。そのことが、このお話をとても優しいものにしてる。あらすじに「性別検査の誤診」とあったので、再検査してどちらか(あるいはどちらも)が…という展開か…?思っていましたが…いえ、この二人はただただ“β”なのです。
●二人とも、男同士でβ同士な自分たちの関係を、とても不安に感じてる。これはオメガバ世界ならではだと思うのです。αとΩなら、運命の番なら、誰もが祝福してくれる。確かなものと信じられる。子どもだって産める。だけど自分たちは…っていう。その不安からちょっとしたことに敏感になってしまって、二人の間に歪みを作ってしまう。
●その不安を言葉にしてしまうのも怖い…という感情はとてもよく分かる。(私たちもいろんな場面で抱く感情だと思う。)だけど、それでも、二人にはこの不安を言葉で分かち合ってほしいんですよね〜。相手の不安はお互い感じ取ってる。同じ不安を抱えてるって分かってる。なのに言葉にできない…うぅもどかしい…
●最後はちゃんと、「伝え合おうね」って。自信も取り戻したように見えましたし、少し前進…かな?こんな二人は意外と身近にいるのかもしれないな…なんて感じました。優しいお話でした。