わたしの苦手な彼
」のレビュー

わたしの苦手な彼

ダダ/イアム

仕事ナメてんじゃねえぞという気持ち

ネタバレ
2023年5月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 第一話の時点で、主人公に対しては苛立ちしかないです。正確に言えば嫌悪感。
他人からの指導やアドバイスを全て自分への否定・叱責だと思い込むタイプ……いますよね……。
ミスを犯しても原因を自分の中に見出そうとしないので、全て他人と環境のせいであり自分はその被害者。
「私は言われたことをしてるだけなのに。たしかにスキルは足りないかもしれないけど、それなりにがんばってるつもりなのに、誰も認めてくれない。それどころか何度も何度も同じことを突かれて、否定されて……ああ、なんてかわいそうな私!」

迷惑は人でしかないし、私はとても、嫌いです。

言われたことをしてくれる存在が欲しければ、常に同じ動作をする機械なりプログラムなりを購入すればいい話です。何をどのようにがんばっているのか例えのひとつも挙げられない「がんばってるつもり」は、ただの気持ちです。お気持ちを表明されても処理すべき仕事とケアレスミスは減りませんのでただただ無駄ですし、不快であることを加味すれば害悪です。何度も何度も同じことを言われるのは、何度も何度も同じ内容のミスをするからです。こちらが何度も何度も伝えたアドバイスを聞き流し、全く生かそうとしない人間と、同じ仕事に取り組むことは不可能です。

自分が悲劇のヒロインでいられるキモチイイ世界しか見ようとしない自己中心性。
現実はとても恵まれていることに気付かない、気付こうともしない鈍感さ。
「がんばってもできないんだから仕方ないじゃないですか!」という開き直り。
そういうのはモラトリアムのうちに済ませてきてください。仕事で発揮されても面倒見切れません。


以上を前提とした感想ですが……
吉川さん、めちゃくちゃ誠実だし、最高に優しいですよね?

月イチ数時間しか顔を合わせない、毎回同じミスを繰り返し、指摘するととりあえず「すみません…」と言うだけで自分の課題として考えようともせずに終わらせる人に、しかも同じ会社の同僚ですらない、いくつかの取引先の一社の、結婚するまで席に座ってるだけのつもりのぺーぺー社員に、ちゃんとああいう話をしてくれる人は、レッドリストの絶滅危惧カテゴリに入るレベルの優しい人間でしょうよ……。

のっけから愛に溢れた情の深い人にしか見えてないので(※恋愛感情としての愛の話ではない)、煽り文にあるドS税理士…とは…?と宇宙猫の顔しながら読み進めてます。
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