とろける寵愛セルロイド【特典ペーパー/電子限定ペーパー付】
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とろける寵愛セルロイド【特典ペーパー/電子限定ペーパー付】

素敵な寵愛

ネタバレ
2023年5月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 結婚式の直前に花嫁に逃げられた冬吾。男と逃げた婚約者を責めることなく、自分の非を悔いるところが痛々しく、冬吾はセルロイド(人形)などではなく、ただ、自分を表現するのが苦手で、同僚たちと壁ができてしまうのも不器用な性質ゆえと思ったら、冬吾が可愛くて切なくて堪らなくなった。

仕事で来日していた王位継承者のサーナとの出会いはある年代にはピンと来るもので、冬吾の「スケキヨ?」には思わず笑ってしまった。

王族とか身分の高い人物と一般人の恋愛は身分差の試練が付き物だからこの作品にもそういう話は出てくるものの、身分差云々より周囲からセルロイドと評されて人知れず傷付き落ち込んでいる冬吾をサーナが影に日向に支えていくところが見所で、冒頭の冬吾とは表情が変わっていく様が見ていて本当に楽しい。

セルフ報連相やキャットファイトなど、表面だけでは分からない冬吾の一面が見られるのもこの作品の醍醐味だと思う。


初めて会った夜、酔った勢いで体の関係を結んでしまったような二人がゆっくりとしっかりと愛を育み、冬吾の気持ちが固まるまで触れあい以上のことをしないサーナが男前で紳士で、冬吾を溺愛して寵愛しているところが本当に素敵。
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