悪役のエンディングは死のみ
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悪役のエンディングは死のみ

SUOL/Gwon Gyeoeul

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ネタバレ
2023年6月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ タテコミのコミック変更が読みにくく断念。改めて別サイトでタテコミで読み、続きが気になって小説で完結外伝まで読んだ感想です。漫画より先のネタバレも含まれるので気をつけてください。
序盤は主人公が哀れで、生き残ろうと奮闘する姿に惹かれましたが、徐々に「ん?」と思う箇所が出始め、完結まで読んで完全に主人公と周りへの好感が逆転しました。公爵家と侯爵、イクリスの方が断然可哀想。
公爵家の人や侯爵に対して主人公は事あるごとに「信じてくれなかった」と相手を罵倒しますが、何を根拠に貴女を信じるの?って思う。イジメられてたとはいえ酷い行動を取っていたのはペネロペ自身。しかも血も繋がらない素性も分からない赤の他人なのに、自分を信じるのが当然という思考回路が怖い。
そもそも生きるか死ぬかの状態から拾ってもらっているのにその感謝が薄いのも気になる。特に父である公爵は使用人にいじめられていたのは知らなかったんですよね、知って即対処してくれていたし。諸悪の根源は濡れ衣を着せた次男と使用人なのに、公爵が自分に無関心だったと最後まで許さず恨んでるとまで言うのには呆れました。最後まで周りを責める理由として、過去に何度も死んだペネロペが可哀想だから…と繰り返し言ってたけど、だったらなんで何度もペネロペを殺した奴と恋人関係になってんのよ。結局全て自分の都合でしかない。無関心で主人公がイジメられてたのを知らなかったことが罪というなら、イクリスがイジメられてたのを知らなかった自分はどうなの?ほぼ公爵と同じ事をイクリスに対してしてますけど、自分だけは同じ事をしても無罪?笑 イクリスを利用する事ばかり考えてて公爵より悪人でしょ。
さらにペネロペの行いで公爵家が失ったダイヤモンド鉱山を黙って自分の物にしてるのには呆れた。
ヴィンターへの非難に至ってはもう難癖だろと思う。自分が魔法使っておいて疑われたら非難するとかどんな地雷だよ笑
さらに洗脳した敵だけじゃなく、洗脳された人まで責めて罵倒するのも最悪。
徐々に主人公の自己中加減に気付いて最後は、こいつ自分が可哀想っていうのに酔いすぎだろとイライラしてしまいました。
育てる義理もない赤の他人を拾って娘として扱った公爵や最初から最後まで利用されるだけだったイクリスがとにかく可哀想。
読み終わってむしろこの世界からイクリスや公爵たちを救う話が読みたいと思ってしまった。
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