どうも、噂の悪女でございます
」のレビュー

どうも、噂の悪女でございます

三沢ケイ/m/g

テンポが良くて読みやすい

ネタバレ
2023年6月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ いわゆる転生とか、悪役令嬢ものではありません。そういうのを期待するとちょっと違うと思うかも知れませんが、とてもテンポの良いお話で私は凄く好きです。
登場人物は主人公の聖女とヒーローの第二皇子。聖女に対して婚約破棄を告げる王太子と男爵令嬢。この構図だとよくある悪役令嬢ものを期待してしまいそうですが、最初の方でこれは聖女と第二皇子が結ばれるお話なのだろうなと想像がつきます。でも話の展開は想像出来るのに面白い。沢山散りばめられた伏線を回収しながら進んでいく感じが読んでいてスッキリします。(タイトルがこれで良いのか?とは少し思いますが)
特に聖女と第二皇子が賢いのが小気味いいです。王太子や男爵令嬢が上手い具合に騙されていくバカさ加減や、何でも自分に都合よく解釈してしまう人としての浅さのせいで、その腹黒ささえ読んでいて気持ち良いと感じてしまいます。
聖女も婚約破棄されたからといって卑屈になったりしませんし、第二皇子の想いに対して鈍感過ぎないのも好感が持てます。わかりやすいイチャイチャは少ないですが、お互い信頼しつつ、ちょっと勘違いというかすれ違ってる雰囲気が「もう少し先も読みたいな~」と思わせてくれます。
ざまぁは重いというレビューを見かけましたが、二人が破滅に向かうという事も早い段階でわかっているので妥当かなと思いました。あの状況でも二人共反省していない訳ですし。個人的には、男爵令嬢が王太子とずっと一緒にいられるようになった事が最大の“ざまぁ”なのかなと思いました。
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