宵待ちアパートメント【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
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宵待ちアパートメント【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

柚月りんご

解決しないまま完結??

ネタバレ
2023年6月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大学から徒歩10分の1Kアパートに住む1年の鷹央は隣室から聞こえる賑やかな声に辟易していた。賄いを頼りにしていたバイトが急遽休みになり、空腹でしゃがみこんでいたところを隣室の冬梧に助けられる。

2年の冬梧は同じく2年のてっちんと3年の薬袋とオカルト研究会に入っていて、鷹央をサークルに誘うが断られる。

冬梧も鷹央も家族関係に色々あり、そこにアパートの怪奇現象が加わってなし崩しな感じで鷹央はオカルト研究会に引き込まれてしまう。


作品としてはあまり恐怖を煽るような描かれ方をしていないけれど、壁を叩く音がしたり、話し声がしたり、冷静に考えたらかなり怖い。しかも、オカルト的な怖さだけでなく、人間の怖さも初っぱなに描かれているのがじわじわくる。


冬梧と鷹央が互いを意識して恋愛感情が芽生えたくらいのところで終わっているのが勿体ないし、壁の音や話し声、奥の部屋の物音など、何も解決しないまま完結となっているから読み終わってもモヤモヤが止まらない。

できることならば続編できっちりと解決してほしいし、BL作品を読んでるという気分を味わわせてほしい。
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