このレビューはネタバレを含みます▼
登場人物達は皆、それぞれに憂い己の立場を弁え強い志を持ち幸せを願い、時に別れを決断する。冒頭十和の口調から『過去』を語っています。そしてよい処、後悔や想い出すと十和が言っているので、最後は切なく終わってしまうのだろうかと示唆してしまいます。不老不死のルイスと人間の十和では例え添い遂げられたとしても十和の方が先立ってしまう。ならば東のように眷属になり老いることが無くなり永い時を共に…けれど東の台詞に「わたしはわたしでなくなる」とあり、ルイスは十和を自分と同じ“化物“には絶対しないと思う。ヴァンパイアの創られ方の一つに人間の死者からヴァンパイアを創る方法があり十和の死体からヴァンパイアとして再び蘇らせる…メリーバッドエンド風…ルイスが英国に帰還するのは覆らないだろうし日与守の爵位を返還し家を捨てて英国へ逃避行…は十和の性格上考え難い…爵位返還後、十和が女流作家、翻訳家として日与守を再建し自分の足で英国に会いに行く、例え10年後でも十和は25歳で全然ありな年齢…この語りも、過去の作品を見返し思い出に耽っている十和の所に「随分懐かしいものを読んでるね?」なんてルイスの台詞と共に二人が幸せに笑っている未来だったら嬉しいなぁ…どうやったらハピエンになれるか試行錯誤して考えてます。別れ、傍またルイスとの死別の間際気持ちを伝え、永遠の別れ…なんてラストはできれば来てほしくない…ヴァンパイアの始祖であるルイスはヴァンパイアが滅ぶ事を望み、自分の命も滅んでいい、人間たちが幸せならと、一体どれだけの時間を費やし人間たちの為に尽してくれただろう…最後は本当に本当に心から幸せになったルイスを切実に見たい…