狭い世界を生きる思春期のいきづらさ





2023年6月15日
表題作のみ。美形ゲイのハチ、表紙絵の馳男、最近彼女ができた次郎の三角関係で話が進みます。馳男と次郎は小学校からの腐れ縁で、そこに中学からハチが加わる悪友関係。友情と愛情を区別できない一人と、区別できるけど範囲が違う二人。自分にとっても相手にとっても自分がいちばんの親友だったのに間に別の誰かが入ってきて、相手にも別の誰かができるのは許せない子どもっぽい独占欲、本当の気持ちを押し殺して貼り付ける笑顔、ただの気晴らしでしていたはずの体を重ねる行為が特別になる瞬間の動揺など、登場人物の感情が痛いくらい伝わってきます。世界が狭いせいで、溺れているような苦しい思春期。BLを読み始めた初期の頃に読んで今でもたまに読み返したくなる、心に残る話です。
修正は一部白抜きがありますが、見えない角度が多いです。
修正は一部白抜きがありますが、見えない角度が多いです。

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