こたえてマイ・ドリフター
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こたえてマイ・ドリフター

大島かもめ

やっぱり最後はヘプバーンの歌声が流れて😩

ネタバレ
2023年6月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ かもめ先生の新刊。楽しみでした。

「逢縁カタルシス」もタイトルから深い作品でしたが、この作品も…もう本当に凄かった😩。

放浪者なんだけど、そこにエリオットの想いを通してタイトルを見たら、リンチェはエリオットの少年時代に夢見た運命…魂の相手、なのかな?と。

そんなタイトルに、エリオットは答えてもらえるのかな?と思ったら、もう、最後は涙で…(ヘプバーンのムーンリバーが脳内再生されて😩)。本当に、最高でした。

NY、あの当時の空気感はどんなものだったんだろ?と。 描かれていないリンチェのシカゴでの生活やマフィアの中での彼の立ち位置とか…冒頭からかなり夢想しました(シカゴでも誰かに抱かれていたのだろうかと😩)。

ロバート・フェレーロというイタリア系氏名なのにも関わらず、アジア人の面影も持つリンチェ。そんな彼をアーサーは「アジアンの混血、私生児」となじっていましたね。そんな陰口を言ってしまう程リンチェの立ち振る舞いや出立ちは、ミステリアスな美しさやムードがあったんだろうなと。

恐慌時代。移民排斥、国際結婚も禁止だった。今だったらアーサーの言葉は社会的に問題になるけれど、そんな社会でアジア人ハーフのリンチェは生きていた…大変だっただろうなと思いました。また、もし長子の彼が女の子だったら彼の父親は…育てたのだろうかと。

少年時代にエリオットの様な男子が夢抱く、自分の運命の相手は今どこで何をしているんだろ…という憧れ。この子だ!と思った相手に出逢えたら生涯をかけて大事にしたいと、そんな少年時代に見る夢。

エリオットを見ていたら必死に訴えているのに…リンチェと、胸が苦しくなりました(ちゃんと準備してリンチェを待っていたのが…涙。)

後半、ムーンリバーのhuckleberry friendsが2人と重なり。huckleberryシェイクとかグミとか、日本でいうガリガリくんを一緒に食べて過ごした仲…というのか。人種の違う2人の少年があの時一瞬共に過ごした時間。それがどれだけ特別でその後の2人の希望になったか。それが全て最後のシーンに繋がるのだと思ったら、滝の様な涙が出ました。

徒桜の様だけど私の中ではハピエンです😩
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