俺の可愛い弟は
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俺の可愛い弟は

さがのひを

圧倒的光属性彼氏力カンスト弟による救い…

ネタバレ
2023年6月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 琉樹ーーーーーーー!!!!!!!!おま、おまえ…よく頑張ったな……。好きな人に「お前とこんなことしたくない」なんて泣かれたら普通心折れるだろ…。全体を振り返ると、琉樹が優河にぐいぐい迫って絆し落とすみたいなストーリーに感じるかもだけど、本作はそんなやっすい感想では片付けられないです。
優河は小さいころからずっと愛情に飢えていて、琉樹とは幼少期に唯一愛情を与えあえる大切な存在であったがゆえに関係が変わるのが恐い。そんな優河から受けたやさしさと温かさが大好きで、それがいつの間にか恋心に育っていて、これ以上大好きな優河が傷つくのをもう見たくなくて恋人に立候補した琉樹。お互いがどちらも替えのきかない唯一無二の存在。甘々でほっこりした雰囲気だからそんなに深い闇は感じないけれど、ほぼ共依存だと思う。それに加えて、優河は多分少し愛着障害気味で、そのせいで自己評価も低くて自分のして欲しいことを上手に表現できないし、いつも漠然とした不安を抱えていて、それが心配性だったり世話焼きに繋がっちゃうのかな。琉樹はそんな優河をひたむきに想ってきたからこそ、ちょっとした感情の機微にすぐ気づけて心を汲み取れるし、優河が欲しいものを惜しみなくあげられる。本当にずっとずっと優河だけを見つめてきたんだなというのが至る所で感じられます。
幼少期、優河が迷子の琉樹を捜すシーンでは思わず涙しましたが、この出来事でお互いの存在の大切さという価値が決定付けられたのは言うまでもないでしょう。琉樹視点では「自分を大事にしてくれる存在」の獲得、優河視点では「失いたくない存在」の確信。それが二人の根っこにあるんだから、どんなに成長しようと離れては生きていけないのが然るべき姿なのだと思います。
そして語らずにはいられないのが、琉樹の圧倒的な光属性なところ。包容力たっぷりではあるけれど安直なスパダリというわけではなく、ちょっと不器用なところもあったり独占欲強めだったり…そこが等身大な感じがしてとても良い。関係が変わるのを怖がる優河に対して、どうすれば不安を解消してあげられるだろうとか、電話口の涙をいち早く感じ取ってすぐに会いに行く算段を付けたりだとか、優河の心を一番大事にしてるのは優河本人ではなく間違いなく琉樹だと思います。
二人の未来がこれからも笑顔で溢れてるといいな。琉樹、頼んだぞ…!!!!
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