ギュッと締め付けられる

連作の三作目です。こちらも最高です。派手さ、エチさはないのですが、同性同士で生きていく際に考えなければならない様々なことが起こって来て、やっぱりゲイの徳永さんが相手の幸せを思うが故に身を引こうとしてしまう。そこを、高梨くんと乗り越えていく過程が丁寧に描かれています。徳永さんの気持ちには、いつもギュッと胸を締め付けられます。そして、その苦しさを包み込もうとする高梨くんの芯の通った優しさ。見守る古谷社長の存在もなくてはならない存在。十年前ぐらいの作品になりますが、色褪せない珠玉の作品ですね。むしろ、近年のBLはくっついてエチするのが当たり前で悩みもなく。人を愛すること、ともに生きること、子どものこと、家族とは、といろいろ考えさせられる作品です。