このレビューはネタバレを含みます▼
繋がりのある3組の中編連作。同じ会社や元同級生たちの連作なので短くても物足りなさは少ない。でも、表題作の肝である10年ぶりの再会が不自然でモヤモヤが残った。
中学からの腐れ縁で高校のときに功治から告白された迅。あらゆるもので競いあい、いつも迅に勝てなかった功治。一つでも勝てたら正式に付き合うという仮契約の関係は功治が勝てないまま、終わりを迎えてしまう。
会社の先輩である春井に告白されたことで過去の恋愛と向き合わざるを得なくなった迅に同級生の七央斗が世話を焼き、10年ぶりに功治と再会する流れは自然だったけれど、迅と功治の同級生だった七央斗と愁が高校時代から付き合っていて、迅と七央斗は同じ会社、功治と愁が同じ会社っぽい描写があって頭が?? になった。
共通の友人と高校卒業後も交流があり、別れた事情も知っていそうなのに、10年も会わずにいたとか不自然すぎる。しかも、二人とも10年間気持ちを引きずっていたなんて、有り得なさすぎて設定の無理矢理感しかない。愁と七央斗の10年も不自然極まりなくて正直言って引いてしまう。
この同級生組の話だけだったら☆2を付けてしまうところだけれど、春井と廉の話が短いながら纏まっていて、不自然さも無理矢理感も無かったのでとりあえず☆3。