エロティック・サイコ(フルカラー)
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エロティック・サイコ(フルカラー)

KJK

救いがほしい

ネタバレ
2023年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み放題にて。時間をかけて一気読み、更にもう一度最初から読み直しました。文化の違いで違和感が邪魔をしたので変に日本に寄せず最初から海外舞台の作品だと説明があれば良かった。それはさておき。重苦しい内容の割にコミカルな部分がいい感じに混ざっていて面白く、ハマりました。殺人犯は確かに軽く人を殺すし飾り立てたり証拠隠滅?の為に爪剥がしたりはするけど殺し方は特別残虐ではないと思うし、まあ狂ってはいるけど可愛さや不憫さもあった。狂った人達の三角関係だったけど情に深すぎるが故に一番お馬鹿だったのは先生だし一番可哀想なのは殺人犯に思えたし一番残酷に狂ってたのは記者だったように思う。殺人犯にかつて無い「幸せ」という感情を持たせた直後にドン底へ突き落とす。先生が教えたかった、殺さなくてもいい恋愛ってものをやっと知った殺人犯に一欠片すらも情を持ってなかったことが物凄く哀しい。それ程先生にしか愛情を持ってなかったということなんだろうけど、私はそれを純愛とは思えない。「班長が俺を好きじゃなくて本当に良かった」からのラストシーンまで、何度も何度もその言葉の意味を考えた。自分が死んでも悲しませずに済むからという結論に至ったけれど、愛情ではなくとも班長には情が持ててる。殺人犯が先生を殺してなかったら少しは違った展開になってたのかな。先生が殺されたときより復讐を終えた後の方が悲痛な感じだったのは、人を殺した罪悪感からか全てを終えて抜け殻になったからか。駄目だ、どうしても殺人犯への一欠片の情を探してしまう。それが無いからこそ、この作品がより輝くのだろうけれど。延々と続く駆け引き、腹の探り合いがとても面白い作品でした。特装版には何か追加のエピソード等あるのか気になりつつ、とりあえず何も考えずバカになって読める漫画探さないと…!
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