同居人シンドローム 合冊版
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同居人シンドローム 合冊版

勇の字

てんまとひびき

ネタバレ
2023年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLとヒューマンドラマが織り成す傑作です。ゲイと知られたてんまがルームメイトと気まずくなり部屋を移動して、移動先でひびきと出会い、ひびきの方も直前までルームメイトだったクソタカナシに不満タラタラだったので、双方とても快適な同居生活が始まり、BLを読み慣れてる老兵は「ほーんここからラッキーハプニング連発!どきどきの駆け引きを経てどすけべBLに突入か!」と思うんですが…そんなちょろいことにはならない二人それぞれの複雑な過去が、日常の中にじわじわと沁み出してくる。「闇の腐女子」「光の腐女子」両方の心に刺さる展開になってゆきます。「踏み込んで来ない相手との心地よさ」「相手が抱える闇に関わりたくなる葛藤」「心地よい距離感を失いたくない苦悩」をお互いに思い巡らせ、少しずつ明かされる過去。それと並行して綴られる二人の日常は、どこまでも優しく愉快で面白い。周囲の人物もそれぞれ魅力的で、読んで損はないとしか言いようのないドラマ。
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