作りたい女と食べたい女
」のレビュー

作りたい女と食べたい女

ゆざきさかおみ

凄く丁寧

ネタバレ
2023年7月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めは食事を美味しそうに食べる描写が好きで読んでいたので、恋愛描写が出てきたときに一度読むのを止めてしまいました。というのも、最初に野本さんが恋愛感情に気付いた瞬間の描写が"レズビアン"だったから。
私は彼女の感情がレズビアンというよりもアセクシャルの方が強かったんじゃないかと感じたので、勝手にこの作品はセクシャルマイノリティをただのスパイスのように使ったと考えてしまったんです。
けれど何かの折にもう一度読んだ時に、性的嗜好がグラデーションであること、枠にとらわれない性別をとても丁寧に描いていて、読むのをやめてしまったことを後悔しました。
テレビや漫画の世界にある同性愛や言葉だけの多様性ではなく、私達の世界に、私達のすぐ側にある多様性を描いていることにとても好感を覚えました。
誰かに対する少しの思いやりや理解したいという努力、優しさに溢れる作品だと思います。
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