絶愛/BRONZE 完全版
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絶愛/BRONZE 完全版

尾崎南

なんてすさまじく激しく一途で熱いのだろう

2023年7月3日
本作でBLにはまった人は多いらしい。
まだ4巻目ながらこの作品のオーラに包まれ過ぎて、晃司の激情がもう笑えないほど(初めから彼は真剣で、冷静に考えると無理設定にも拘らず)固唾を飲んで見届ける気分。
4月1日(=割引初日)に超破格値で全巻買いしたが、2割も読んでいないのに早くも損得感覚では回収気分。
ただ私はハピエン志向が強く、レビュー等から警戒心もある。
ドロッと濃くて、そして二人の関係性のもどかしくも、清らかさと危うさの同居する微妙な距離感。ぎこちない不自然さを隠して一歩一歩ずつ近づく。自分に一種独特な刺激をもたらす世界である。
これが噂の「絶愛」か、成る程、相当クセがあるがそのクセがまたクセに、と思わせる。
まだ先は長い。残り巻については後述予定。

拓人が次第に引き摺られるように…、この絶望的な愛にはまりかけ始めた。(そもそも絶の字が作品名に使われてることで、この文字がもたらすイメージが利用されてる。)
その最大の試練は、今は拓人が引くことも進むこともきっぱり出来なくなって。声を押し殺しても心でうめき、血も涙も流して。。。はい、読み進めましょう。この辺りは、家庭という新要素がストーリーを揺さぶっています。
9巻。矯めを入れ過ぎ。
安定を許さないんだなと解る。やはり、苦しい人達なのだ。痛いのだ。
2014年10月「私のマーガレット展」で、歴代のマーガレット誌の代表作がひしめく中にあって、独特な存在感があり、以来読める機会あらばと思ってた。
いざ読むとやはり強烈で、「マーガレット」誌を別の地平に連れて行ったと判る。
13巻目。濃い。相変わらず醒めずにこのハイテンション。二人の関係性フォーカスの為に、読んでるこちらも、散見されるツッコミどころには苦笑するが、別に興醒めしない。よくもまあ、という脱帽の、これでもかこれでもかの晃司の愛。ポエム入っているし。
16巻目。激しい。実に。極限まで思考回路もエピソードも。代償の残骸と書いて「アイのアカシ」と読ませる。。。

読了。熱量で押し切られた。尾崎先生ご自身これを描いてヘトヘトになったのでは? 転がりまくって血も入ってくるし、幾重にも絡んだ人々の因縁が緊張感を途切らさず。始終思案に暮れる恋愛。でも堂々と。想いの迷路にはまってもがく。「浄化」の語を登場させながら、タイトルの「絶」の字に忠実に走りきった。
続編(番外編?)はH過ぎてレビュー書けない。
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