龍神様にお嫁入り
」のレビュー

龍神様にお嫁入り

いけがみ小5

龍神様の加護と穢れと

ネタバレ
2023年7月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●両巻とも150P程度なので、定価はややお高めかも?1巻は割と頻繁に値引きされているように思いますが、2巻は全然…出版社クーポンを待ちに待って…ようやく拝読しました!思っていた以上に良かったです。
●狼の家で妾の子として酷い扱いを受けている石蕗が、本当にまっすぐに育ってるのがもうそれだけで泣ける。家に捨てられる形で棕櫚の元に嫁ぎますが、ホントその方が良かったよ…と思えます。(石蕗にかける棕櫚の優しくも古めかしい話し言葉が個人的にツボです。)
●幼い頃から“おかみさま”にお祈りしてる姿が冒頭に描かれているので、棕櫚に嫁いでこれだけ溺愛されるのもさもありなん…かと思いきや、2巻で二人の関係はそれだけではなく…という展開が良かったです!(後述)
●石蕗の姉は徹底的に悪役で、めちゃくちゃ(悪役として)いい仕事しました。石蕗は優しすぎて姉を立ててしまう。でも棕櫚はこの姉を目にもかけない。そして…姉はついに石蕗を害してしまうのです。
●(とてもネタバレ→)ここで棕櫚の“穢れ”は幼い石蕗の大怪我を棕櫚が癒したことによる“血の穢れ”だった…という真実が描かれます。この怪我も、心優しい石蕗が姉のためにがんばった結果であって、穢れの元凶は狼の家にあるわけです。そういえば石蕗との交わりによって祓われた穢れは、狼の山に返っていた。棕櫚の加護は石蕗に、穢れは狼に。この展開良かったです。カバー下の「長兄の鈴懸にも棕櫚の加護が少し」というのもなるほどなぁ!と。
●姉によって傷付けられた石蕗を、棕櫚は癒します。そして再び血の穢れを負い、もはや神ではいられず、怪となってしまうのです。それでも二人は幸せそう。一緒に歳をとることができてたらいいな。使君子と冬青に遠くから見守られながら。
●各巻表紙に「石蕗」と「棕櫚」の花が描かれていて、ふと花言葉を調べてみたのですが、二人にかなりマッチするかも。作者さんにその意図があったかどうかは分かりませんが、勝手に納得しています。(でも「冬青」を見ると、別に意味はなかったかもしれない…とも思ったり。笑)
●ストーリー展開も二人のいちゃラブ具合もとても好きでした。描き下ろしは両巻とも『もしも子供の時に来ていたら』ですが、これも含めて幼い頃の石蕗が本当にかわいい。時々子どもっぽい棕櫚もかわいい。オススメしたいです!(レビュー長くなってスミマセン…)
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