このレビューはネタバレを含みます▼
さすが宮田先生…!!どの作品を読んでも大変素晴らしい。この作品に出会えたことに圧倒的感謝……!!!!
読み始めは「あれ?なんか表紙と印象が違うな…」と思ったのですが、読み終わったあとにもう一度表紙をみると「これはそういうことかーーーーー!!!!!」となりました。あまりに説得力が強すぎる表紙です。二人の立場と表情、そしてなによりそっと優しく添えられた壱成の手、そしてそれを自ら受け入れようとする千紘の手。意味もまったく違って見えます。
容姿端麗頭脳明晰コミュ強で圧倒的一軍男子なのに面倒見の良さまで揃った穏やか先輩(トラウマ持ち)と、エケチェンで番犬系な素直一途後輩(成長期真っただ中の彼氏力伸びしろ抜群)の幼馴染らぶ……。230Pを超えるボリュームながら、時には甘く、時には葛藤したり、時には当て馬ポジの元彼くんと一悶着あったりで、あっという間に読み終わってしまいました。
千紘のトラウマはなかなか根深く、あの優等生らしい穏やかな笑顔の裏には、植え付けられた恐怖と嫌悪感、誰にも相談できない頼れないという孤独感、そしてそれを克服できない自分への失望が隠されていて、壱成視点から千紘視点に変わってソレが語られたときには思わず胸がギュっとして「壱成早く救ってくれ…」と思いながら読んでました。そして、それを裏切らない壱成の彼氏力の高さよ…。まだ仮採用なのに諦めず、そして千紘に諦めさせることもさせず、千紘の気持ちを一番に大事にしながらゆっくりゆっくりとトラウマを癒していく様は心から応援できます。元彼くんはなかなかに歪んだ愛憎みたいなものを友人の顔の下に隠していましたが、嫌なやつではないし、むしろそう思ってしまう気持ちも理解できる内容でした。また、BLにありがちな性急で勢いだけの記念えちシーンがなかったのも非常に好感が持てます…!!この二人はそうだよね…!!!!!とむしろ糖度が高まったくらいです。とはいえ、らぶらぶな二人を堪能したい気持ちもあり、これは、やはり理性LV100を叩き壊した剛腕のアイツに頼るしか…!!!!!!!!!!!とにもかくにも、本作も素晴らしいらぶストーリーをありがとうございました。大満足です。