タイトロープ
」のレビュー

タイトロープ

舞方ミラ/山藍紫姫子

甘さのないリアルさが、懐かしく良かった。

ネタバレ
2023年7月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読みながら映画「テトリス」を思い出しました。
「タイトロープ」、危ない橋を渡る。山藍先生原作。少ないページ数なのですが濃厚です。そこに作者方からの読者へのギフトの様なものも感じて良かったです。

ネタバレになりますが冒頭のシーン。

主人公 線引の全ての情報を知っているのだろう、グラサンのヤクザ(それなりの立場なのだろう)男性が(誰かの依頼で)線引を部下に暴行させている。
薬を使っても苦しそうな線引…(初めてだったのかもしれない)。
そこへそのサングラスの彼が液体を部下のあそこに垂らし、また入れろと。
「溢すなよ、赤ん坊さえ◯らせる極上品だ」、
(いまなら一発アウトだろうこの言葉😩…何というか、その当時はその辺の自由がまだ残っていたんだなと。)

今では出来ない表現からは、作り手の、生温さは存在しませんよこの世界には…という様な強い想いをその言葉から感じて、ある意味で感動でした。(残酷ですが…)

第一話、線引、身体が辛そうです。いつ解放してもらえたんだろう…ふらふらです。
会社内では線引の功績を知っているのは誰もいない様で、社長だけは彼の才能に気付いてそうです。

第二話、この作品を読んで良かった😩と思いました。

社長、線引が完成間近のゲームソフトをコピーし盗んだと、それも同性の恋人の為にしたと思って激昂。
線引の自宅に押しかけ、彼に寝室はどこかと尋ねます。次のコマ。萌。線引、いつかの極妻映画の様にベッドに投げられてます😩。

「裏切り者の尻(ケツ)はこれか」、←作中の社長のこのセリフ…昭和だなぁ。逆に誠実な尻って何だろう…?と、暫し沼を泳ぎました😩 。


唇から血を流し声を殺し、暴行に堪える線引の表情に反応する社長。美しいコマだなと✨。作者方が描くBLではない、薔薇の世界を見せて頂いた様でした。(バスローブ、ウィスキー、薬箱の組み合わせも良かった😩)

それだけでは終わらない山藍先生。
グラサンヤクザ達、再来シーン。線引の事をあの時から「泉」と勝手に名前呼びしているサングラスのヤクザ。はぁ、俺たちは一線を超えた仲だろ感(この煽り方が堪らん😩)と同時にヤクザの骨まで〜感も出ていて良かったです😩

短編なのにこの濃厚感…久しぶりに頭をガンっとやられました。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!