双子の王子に双子で婚約したけど「じゃない方」だから闇魔法を極める
福澤ゆき/京一
このレビューはネタバレを含みます▼
半獸猫属で王子のシュリ。見た目が黒猫と言うだけで王族なのに家族や使用人、王国庶民から虐げられ、蔑まれ、忌み嫌われてるのが本当に辛い。なにもしてないのに、ただ見た目が黒猫ってだけで何でここまでって思った。反対に双子の片割れである白猫のリュカは天真爛漫で天才と言われ無条件で皆に愛される。シュリとリュカは双子だから似てないはずはないのにどうしてここまで二人を差別するのか?黒猫は不吉、不幸を呼ぶ…そんな迷信めいた噂を信じているから。シュリは努力家で謙虚な性格。常に天才肌で優秀なリュカと比べられ蔑まれ続けたせいで自己肯定力が極端に低く、周りから身を隠すように生きているのにリュカはそれが分からない。天真爛漫とは物の言い様でこれは無神経過ぎる。だけどリュカなりにこの世界の理不尽、おかしな迷信や噂の為に大好きなシュリが苦しめられ蔑まれるが許せなくて何とかこの不誠実な世界を変えようとしたけどその行動は結果的に更にシュリを追い詰め、傷つけ、苦しめる。お互い双子だから双子同士婚約させてしまえと言う安易過ぎ。ジークとシュリの出会いはシュリを誘拐しようとした卑劣な男から助けたジークとシュリ。なのにジークは何か裏がありそう。リュカの意味不明な行動とジークとの別れで壊れそうになるシュリを必死に繋ぎ止めようとしたのは最初に外れの方と言い傷つけたギルベルト。本当はシュリが好きで好きで堪らないのにツンデレかよっ!ジークとの一件を機に素直にアプローチして二人の距離が少しずつ縮まって来た頃になって、ジークがシュリに愛の告白?って今更ですよ。やっとシュリが前向きになったのに。どんどん話が暗く嫌な感じに進んで、実はこの婚約は黒猫であるシュリを元々戦争していた敵国を呪うため嫁いだ王妃が自分を裏切った王を呪い殺すためシュリを利用しようとした、更に王がそんな王妃の行動を戦争に利用するために黙認とかもうめちゃくちゃ酷い。でも最後は頑張ったよ!シュリは自身の身体の一部を代償にしてまで王妃の呪いを受けたジークを助けて…そして王はキッカリ王妃から呪われます。でもギルベルトはそんな王にこれからシュリが傷つかないような世界にするため条件をつけた上で助ける。カッコいいぜ。本当に涙…涙でした。
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