このレビューはネタバレを含みます▼
ヤクザの天海（受け）が探偵陣内（攻め）を最後に煽りに煽りまくったのが印象的だった作品。もっというと、ほかはさほど印象に残らなかった気もする。
天海はきれいな見た目とは裏腹にちゃんとヤクザらしく口汚く罵ったり陣内に暴力ふるったり、それだけ見れば愛情のかけらもないのだけれど、お母さんにかまってもらいたくてわざと悪さをする子供と同じ行為として説明されていた。お互い好意をいだきつつ、何年もその思いに蓋をしてこじらせてるシチュエーションや、乱暴な受けは大好きなんだけど今ひとつ萌えきれなかった。天海が抱いてきた思いは切ないし、天海が神代の愛人になる前に陣内に会いにきたあたりのエピソードとかはよい話だと思うのだが、なぜかあまり切なさにひたりきれなかった。
唯一ちょっとばかりぐさっときたのが、与えられたもので満足するのではなく、自分の足でのぼっていきたい、そうすることで自信を持ちたい、でもそんなふうに思うのは自分が弱いからこそだと言った天海のセリフは思いがけず耳が痛かった。これ、なんか妙にわかる。私も自分の力で生きてますって言える状態でいたいのは、たぶんそうしないと簡単に人に甘えてもたれかかって頼りきってしまう性格だからってとこがある。
あと、ちょっと萌えたのが神代と天海のシーン。神代がもうちょっと本気出してくれたらもっと興奮したかも。神代はどちらかというと天海を退屈しのぎのおもちゃ的に扱っているので、そうじゃなくてもうちょっと愛憎ある感じで執着してくれたら気持ち悪くてよかったのにな。神代がやってきたこと自体は気持ち悪いのに、あまりその気持ち悪さを実感できず残念。
天海も陣内も暗い過去を背負っていて、天海は常に陣内に嫌がらせしてるような状況なのに、交わされる会話は軽妙でバカバカしさもあるので暗くなることなく読めた。最後の最後のエッチシーンはなかなか熱さがあってよかった。
レビューをシェアしよう！
ERR_MNG