私とあなたと下克上 国家監査室のケンカップル事情【シーモア限定特典SS付】
クレイン/あらいてるこ
このレビューはネタバレを含みます▼
作家さん買いですが今回は肌に合いませんでした。途中までは良かったんですが、中盤からヒーローがヒロインに対して酷い態度を取り始めて、それが正直DVと何が違うんだろうと思うレベルの暴力的なもので、まずそこで一度私は挫折しました。ヒーローの内心も、愛してるのに暴力を振るうのを止められない…!って感じだったので余計にDV感凄くて…(殴ったりとかじゃなく、性的暴力&手酷く乱暴に扱うって意味なので、どこが暴力?って思う人のほうが多いかもしれません)。でももしかしたらヒーローもちゃんと報いを受けるかもしれない…と思って最後まで読みましたが、結局ヒーローはろくに反省せず、普通に幸せになりました。というのも、ヒロインがヒーローに暴力を振るわれ続けたせいで、ドMに開花したからです。おかげでヒーローの暴力性が肯定されるオチになり、ヒーローが許せなかった私にとってはモヤモヤ感が残る終わり方でした。しかし私が一番モヤっとしたのは、ヒーローがヒロインを乱暴に扱うことでしか興奮できなくなったことです。ヒーローは恋心を拗らせた結果、愛を免罪符に暴力でヒロインを支配する男だったわけですが、最終的にヒロインに性的魅力を感じなくなっちゃったんです。あんだけ、好きだからこそって思いながらヒロインに酷いことしておいて、そのヒロイン相手にタちませ〜ん★ってクズすぎんか??って、私は本気で萎えました。結局、ヒロインがMに開花したことでヒロインを乱暴に扱う大義名分ができ、ヒロイン相手でも興奮することができましたヤッター!って感じでしたが、暴力振るうほどヒロインのこと好きだったのなら、自分のせいでヒロインが歪んだことを反省して欲しかったし、なによりヒロイン自体に魅力を感じて欲しかったです。ただただ、これでヒロインを乱暴に抱ける〜!としか考えてないところがヒロインへの愛よりも性欲優先なんだなって思わされたし、ヒロインの裸を前にして萎えるヒーローとかやめて欲しかった。好きな女性の裸を見ただけでは興奮せず、乱暴に扱ってようやくその気になるって、それは本当にヒロインのことを好きと言えるんでしょうか?もしヒロインが普通の性嗜好のままだったらどうするつもりだったのかな。まあ多分いつか浮気したでしょうね、最後まで自分の欲優先でヒロインの気持ちを蔑ろにし続け自分のためにしか反省出来なかったあの態度を見るに。そう思わされたヒーローでした。
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