こじらせハツコイ、10年目のたわごと
」のレビュー

こじらせハツコイ、10年目のたわごと

下條水月

絵が硬い

ネタバレ
2023年7月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 硬い絵の見本みたいな絵。この方の他の作品も見たけど、同じ印象を受けた。1.2話しか読んでおらず、話については良いのか悪いのかよくわからないので、絵に関してだけメモ。

人間ってのは生きているので、実際、まっすぐ軍人みたいに常に直立してるってのはそうそうない。どこかしらバランスを崩して立ったり座ったりしているのが普通。この作者はその崩し方が下手で、重心のかけ方が常に一定、これにより人がまっすぐ立ったり座ったりしている絵しか描かないので、不自然な絵になる。また、正面から見たコマが非常に多い。ほぼほぼアイレベルが通常と同じレベルでのコマ割で、アオリやフカンのコマ、パースの効いたコマ、全体の状況がわかるコマがほとんどない。(たぶん足とか腰とか手とかが描けないんでしょうね...、描けるけど描かないだけだったら申し訳ありません)なので、今どこで何をしているか、がふんわりとしたまま話が進む。また、動きが描けないと、感情を描くのに顔面の表情だけで勝負するしかないわけだけど、お世辞にも表情の描きわけがうまいとは言えず、また描き込みも少ない絵なので、顔面のコマだけで読み手になにか感動を起こすのはなかなか難しい絵柄なのでは。
いわゆる日常系の4コマ漫画ではこのようなコマ割もあり得るが、ああいった作品はキャラクターの動きや表情をコマごとに変えることで読者を飽きさせないようにしている。この作品の場合、表情のレパートリーも動きのレパートリーも少ないので、よほど話が良くないと途中で飽きちゃうんじゃないかな。個人的には、たとえ苦手でも、きちんとフカン、アオリ、色んなパースのコマを描いてるほうが、頑張ってるなーって思うし、絵も上達すると思う。それにしても一般漫画ならなんとなく編集が指摘しそうなことな気がするけど、どうなんだろう。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!