落ちぶれ令嬢として嫁いだら、黒騎士様の溺愛が待っていました【電子限定SS付き】
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落ちぶれ令嬢として嫁いだら、黒騎士様の溺愛が待っていました【電子限定SS付き】

永野水貴/鮭田ねね

話の流れが綺麗

ネタバレ
2023年7月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 設定に凝った王道の恋愛ファンタジー。竜という幻想生物と対話するため、竜の言葉を発する竜使い。その言葉が周囲には歌のように響いて聞こえているというのも綺麗だなと感じますし、ストーリー自体もよく練り込まれていると感じました。ありがちな話に見えて一癖あるところも魅力的で、最後まで楽しんで読み切れます。主人公がヒーローに惹かれていく過程が読者側に伝わりやすく、無理のない話の流れが綺麗です。虐げられてきた祖国から隣国へ来て、ヒーローの少しわかりにくい滲み出た優しさを敏感に感じ取っていくうちに好きになってしまったんだなと納得のできる描写力。主人公だけじゃなくお互いに複雑な思い出があるので、ヒーロー側が急に甘々な態度に豹変するわけでもなく、疑問や矛盾が生じないスッキリとした甘さが絶妙でした。なので、タイトルにある溺愛に甘々なお話を期待して読みたい方には物足りないと思います。ラストもここで終わっちゃうの?これからが良い場面なのに?というところで終わってしまうので少し残念です。邪竜がなぜ生まれてくるのか、邪竜に関してもう少し掘り下げられそうな要素もあるので、続編出たら良いのになと切実に期待してます。
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