疵と蜜
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疵と蜜

遠野春日/笠井あゆみ

長谷と里村のどたばたをもっと見たい

ネタバレ
2023年7月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 【1作目】派遣業社長里村(受け)と、ローン会社社長長谷(攻め)のお話。金出すから俺の言うこと聞け、という、BLではちょくちょく見られる始まり。
それにしても里村、事件を解決したいなら、刑事になった方がよかったのでは?義父母に迷惑をかけたくないからと、大学まで出してもらったあと、就職を機に家を出た。。って、普通やん!大学まで行かせてもらったんか!そこは、迷惑をかけたくないから、高校卒業後、すぐに家を出て警官になったとかじゃないのか?とか、長谷、一目ぼれしてたんなら金で言うこと聞かせるんじゃなくてちゃんと口説こうよ!とか、ほんと突っ込みどころが多すぎたのだが、私はこの突っ込みどころも含めて長谷と里村が最終的に好きになった。なんかこの二人のやり取りがいいのだ。素直じゃなくて、欲望に忠実でいい人すぎないとことかも。里村の過去のことや事件解決の展開は、お話のちょっとしたスパイス程度の役割しか果たしていないし、その部分にあまり期待してはいけないのだろうとも思った。脇役の青柳もいいキャラだったし、とにかくキャラが好みだったのでまあよかった。
エロは豊富でよかったが、ちょっと残念だったのが、「猥りがわしい」とか、「貪婪」とか、エッチの時に同じような単語が何度も使いまわしされてる感じがして、もったいなかった。おかげで「貪婪」を読めるようになったのはよかったけど。
【2作目】里村と長谷のその後の話と、1作目で脇役だった青柳と野上の話で構成されている。青柳と野上の話の割合が多かったのだが、私にはあまりささらなくて。青柳と野上は落ち着いていてある意味まっとう、関係がなかなか進展せずそのじれったさがよいのだろうなとは思うのだが、あまりささらないじれったさだった。青柳と里村のやり取りの方がなんかほっこりかわいくてよかったかも。そして何よりも、すっかり変態世話焼きお母さんになった長谷と、相変わらずうかつな里村のどたばたの方が楽しかった。おたま持ってる長谷の挿絵もよい。貞操帯の話も、ばかばかしすぎて私は好きだ。
ちょっとわからないのが、1作目に続き2作目でも浮気防止で下の毛をそるというエピソードが出てくるのだが、この下の毛そるエピソード、たまにBLで見かけるのだけど、なんで下の毛そると浮気防止になるんか。毛がないのぐらい別にみられても平気じゃない?平気じゃないのか?未熟者のためよくわからない。
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