二月のエデン
」のレビュー

二月のエデン

きゆひこ

切なっっ!

ネタバレ
2023年8月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ ハピエンじゃないのは分かって読んだけど、やっぱり切なくて辛くてしんどい…。
登場人物それぞれの過去や四季と龍三の関係性の始まりなどが詳しく描かれてない中でのストーリー展開なのでめちゃくちゃさらっと短編かと思うぐらい早く読み終えました。
でもあえて多くを詰め込まないところが今のBLっぽくなくて素朴で荒削りな絵のタッチと相まってより切なさが増してノスタルジーを感じるというか昔のジュネっぽいというか…勝手なイメージですけど、私は嫌いじゃないです。
作者様もあとがきでおっしゃってますが色々細かい設定まで書きたかったけど詰め込み過ぎるとストーリーがぬるくなってしまうので四季と榛名の2人時間にフォーカスを当てたんだとか。
このあとがきがあって良かったです。もし無ければ本当に切なすぎて気持ちの持って行き場がなくていつまでも作品を引きずってたと思うので。
多くを語らない事は切なさが増すんだな、という大発見があった作品でした。
私的にはSHOOWA先生の月影と同じぐらい切なくてしばらく読み返しは出来なさそうです…。ハピエンじゃない作品の登場人物たちには感情移入し過ぎてしまってダメなんです。榛名はその後立ち直れたんだろうか、きちんと就職なり出来てるんだろうかとか…。
書き下ろし、何だかんだで龍三は四季のこと愛してそうなのがせめてもの救いかな…。最後榛名の事を踏みつけたりしたのも嫉妬心からなんだろう(どうやって榛名の携帯番号を手に入れたのかが謎)。ちらっと登場した優しそうなお手伝いのお婆さんだけが癒し(>_<)
ハピエンじゃないからこそのリアルさ、何とも言えない余韻が残ります。
読んで良かったけど読まなきゃ良かった、そんな感情が入り混じる作品でした。
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