聖なるズー
」のレビュー

聖なるズー

濱野ちひろ

偏見なく読んで欲しい

ネタバレ
2023年8月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず、単行本版と文庫本版があって、こちらの文庫本版のほうが圧倒的コスパなので、こちらをおすすめ致します。電子書籍にハードカバーもソフトカバーもサイズの違いもあったもんじゃない。
さて、私がこちらの本に行き着いたのは、獣かんとかフィクションで言うとこのケモノが好きで、まぁ簡単に言うと半分は邪な気持ちだったわけですが。
そもそも、獣かん愛好家と動物性愛は別物らしいです。この著書で知りました。
そして、圧倒的取材力に恐れ入りました。
日頃、考えて見なかったことを色々考えさせられたと言うか。特に衝撃だったのは動物性愛の方(通称:ズー)からの意見で、『どうしてお腹すいた、とか遊びたい!って犬のアプローチはわかるのに、セッ◯スしたいっていうアプローチはわからないの?』といった言葉。確かに!無意識に動物の性衝動って見て見ぬふりしてる気がする。言われてみればそうなのに考えたことなかった。障害者の性がタブー視されてるのと似てる。あと、世間の人は大概自分の犬を子供みたく扱うじゃない?可愛い、良い子…小さい子に性欲が結びつかないのと一緒で、犬にも結びついてない。一人のパーソンとして見てない。でも、ズーは違う。
他にも、目から鱗な話がいっぱいあったけど、ぜひ自分の目で確かめてくれい。
ちなみに自分にズーの資質があるかは、動物と舌を絡ませるキスが出来るか一つの指針らしい。
私も犬を飼ってたけど、誤って舌を入れられたときは、うべぇ!ってなった。でもそれは私が潔癖だからってのもある。相手が人間でもちょっと嫌だ。ばっちい。
そうそう、私は犬を2匹飼ってたけど、愛情はめっきり違ったなぁ。片方だけ溺愛してた。一緒に寝たり、あむあむしたり、とにかく好きだった。アレは贔屓だった。あのときの私は完全に恋してた。なんでメスなんだろう、なんで犬なんだろう、っていつも溜息吐いてた。今はオスの柴犬が欲しいんだけど、人間のパートナーがいる状態で好きになっちゃったら困るからなかなか踏ん切りがつかない。想像してみても性的なことに抵抗がない自分がいる。
この本読んだ私の結論はズーでもゲイでもレズでもSでもMでも、相手を尊重できるなら性的嗜好なんて自由よな。まぁ、ズーは本当に動物と意思疎通が取れているのか、が論点なんだろうけど。
そういうのにもスポットライト当ててますんで、ぜひお読みになって。
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