このレビューはネタバレを含みます▼
中学1年生のときに異世界に召喚され神子になり、1年後に元の世界に帰った澤島郁馬は30を過ぎて新しい神子と共に再召喚されるが、誰も先代神子とは気づかない。そのまま郁馬は前の召喚時に冷たくされたセルデア・サリダードの屋敷に留め置かれというお話で、神の化身という存在(セルデアを含む4人)がいてその瘴気を浄化できるのは神子で、瘴気が溜まると化身は神堕ちして暴走するなど、とても設定が凝っていました。
セルデアと郁馬の関係はよかったのですが、郁馬や新神子やセルデアの両親との関係があっさりしたもので、なんだかなでした。セルデアの両親は至らないところはありましたが、積極的にセルデアを苦しめた訳でなく、なんならこれから新しい関係を築けそう(もういいかもしれませんが)な感じでしたし、郁馬と新神子の両親も心配するでしょうにあっけらかん。あと攻めの気持ちに全然気づかない受け(他のところはよく気がつく)ってのが苦手です。キャラ的にもメインの2人よりも後半出てきた化身の教皇メルディが1番好きでした。
挿絵は2枚(郁馬とセルデアのみ)ありましたが、人物紹介に郁馬とセルデア以外のイラストがなくて残念でした。これなら挿絵なしで他の人物のイラストありのほうがいいと思いました。瘴気の原因の神のくだりはとてもよかったです。
2023年7月 総300ページ 挿絵あり