このレビューはネタバレを含みます▼
疲れた表情の永田が店長を務める島唯一のスーパーに嵐のなか現れた派手な髪色の百瀬。空腹を訴える百瀬に自前のカップ麺を出し、雷雨で帰宅困難な永田は百瀬と店のバックヤードで休んでいたらいつの間にかうとうと。目が覚めると百瀬に咥えられていて、混乱するも快楽には抗えず……といったBLあるあるで始まる物語。百瀬のキャラが緩くて軽くていい加減なのに、なぜか憎めない宇宙人なところが凄く面白かった。
本社でバリバリ働いていた永田は上司の妻との不倫の冤罪で左遷され、スーパーの店長で腐っているかと思いきや、趣味に精を出したりして島の生活に馴染んでいるから読んでいて嫌な気持ちにならない。
百瀬が島に来た理由やそれまでの暮らしぶりは間違いなくクズだけれど、永田や島の人々と過ごすうちに段々とクズさは鳴りを潜め、憎めない明るさと軽さで永田を翻弄するから凄い。
冤罪で左遷され、変な男に懐かれてしまった永田は百瀬によって人生がジェットコースターのようになり、好きになるもんか! と思っていた永田が一生百瀬を見張る(愛する)立場になってしまう姿を見ると、これこそ本当に運の尽きで、一生仲良くねと願わずにはいられない。