捜査官は愛を乞う
」のレビュー

捜査官は愛を乞う

鳥谷しず/小山田あみ

変態とちょろい警官

ネタバレ
2023年8月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 変態な攻めとちょろい受けというのはけっこう好きな組み合わせ。警官なのにうかつでちょろい瑞紀(受け)が、百合永(攻め)にいいように丸め込まれ流されるという大好きな展開が楽しめたのはよかった。指サックを持ち歩く百合永の変態ぶりも大変よいし、瑞紀と百合永の会話もおもしろかった。
百合永が自分に向ける感情を知ったあとで、それでも百合永を普通に自分の部屋に入れてしまい、案の定押し倒される瑞紀という、このお決まりな感じの受けのうかつさが私は大好物なので、この辺の二人のやり取りは非常に楽しめた。
ただ、続編まだ読んでいないから、もしかしたら続編を読むと感想が変わってくるのかもしれないが、百合永(攻め)と瑞紀(受け)が初めてそういう行為をすることになったその経緯が、どうにも自分の中で消化できなくて、もっと読み込めば理解できるのか?交換条件とか取引とか、好きだという割にはよくわからない条件持ち出して行為に及ぼうとする話はBLでよく見かけるし、作品によってはそういうやり取りもまあいいかと思って受け流せるので、この作品もそういうタイプの話だと思って読めばいいのかもしれない。百合永が丁寧語で一見礼儀正しいかのようにふるまってるせいで、無礼なふるまいに私が過剰反応してるだけかも。
「舞い上がる嫉妬の炎」っていうかな?舞い上がる?些細なことだから気にしなければいいのだけれど。
この作品は全体的に楽しくてテンポもよくていいのだけれど、ちょいちょいのどに小骨が刺さったみたいなひっかかりがあって、気にしなきゃいいんだけど、なんか気になる。「うさぎしか愛したことのない人生は不憫です」とか、そういう考え方は理解できるけど、ほんとに不憫なのかな?とか、別に不憫じゃなくない?とか、余計なことを考えてしまった。
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