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英子

英嗣が切ない(でも大丈夫)

ネタバレ
2023年9月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 英子先生ならではの切なさを味わえます。英嗣が晴臣への片想いに苦しみ続けている様子、でもそれを気づかれないように会話する様子、どれも切ない。別作品「副音声はうるさい」でも感じたのですが、英子先生の描く人物は優しさとか謙虚さが過剰で切ない。相手を想うあまりに、相手の負担になりたくない、自分は相手に相応しくないと考えて「相手に迷惑かけたくない」が最優先に。大切な「自分はどうしたいか」がどんどん隅っこに追いやられていく。英嗣が【晴臣が英嗣の家で遊び、いったん帰った後、英嗣の入浴中にまた晴臣が戻ってくるシーン】で、「あ、いまだ」と晴臣に嫌われるアイディアを思いつくシーン。あの「あ」のコマは私まで静かな絶望感で真っ暗になります。まだ気持ちも伝えていないのに。。作者様の作品を読んでいると、必ずしも相手の気持ちを先回りして配慮するばかりが良いことではないなと確信します。【副音声はうるさい】でもお互いが相手の出方を気にするあまりに本当に悲しいすれ違いが生じていますよね。少しだけでいいから勇気を出して正直に話すのも大事だなあと痛感するのです。英子先生の作品では奇跡的なチャンスでお互いの愛が伝わりますが、現実だったら自分の気持ちを隠蔽したままだと本当に全て無になるかもしれませんよね。英子先生の作品を何度も読んでいると 恋愛だけじゃなく人との関わりでは極力率直に、自分を卑下しないで生きていきたいと思うのでした
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