のだめカンタービレ 新装版
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のだめカンタービレ 新装版

二ノ宮知子

番外編に釣られて

2023年9月7日
音楽漫画で「のだめカンタービレ」ほど楽しませてくれたのはあまりない。あとは「ピアノの森」くらい。
収録の番外編を読みたいがばかりに購入。
相変わらずの顔ぶれと、とても「らしい」展開になごみ、進まないようで進む千秋との関係性も見届けられた。
登場した楽曲名が巻末にプログラムとして列記されていたのは改めていいアイディアと感じた。
ただ、新装版ののだめの雰囲気は違和感ある箇所もチラと有り。千秋はそうでもなく収まっていた。

音楽を絵にしようとして、そこが感覚的に却って「観た」風に描かれて、肌感ではない空気が貼り付いた漫画もある中、いっそ本作のように音楽を感じてる側=聴衆の、そのリアクションのほうにフォーカスというのは、むしろこっちのあらわされ方の方が、場の空気が判る気がしてくる。

みんながあの中に居る、それだけで番外編は既に充分なのだけれど。
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